みなさんも転職サイトなどで嘱託社員と契約社員といった雇用形態を見ることがあると思います。しかし、その違いについて理解している方がどれくらいいるでしょうか?
正直なところ、私もまったく分かりません。そこで今回は、この紛らわしい雇用形態の2つについて調べることにしました。
ここでは、2つの言葉の定義を確認した後で、その特徴について説明していきます。さらに、両者の類似点と相違点についても紹介していきます。
嘱託社員とは2つの意味があった
嘱託社員という名称は、次の2つの場面において使われることが見られます。
1つ目は、特殊な免許(医者、弁護士、獣医師など)を持つ人が仕事を依頼され、雇用された場合を指します。
2つ目は、定年を迎え一線を退いた人が再び雇用されるケースです。
特殊な免許が必要な医者や弁護士などは労働契約にあたり待遇の面でも保障されていますが、再雇用されるなどの場合は請負契約となり、労働基準法が適用されません。
つまり、労働基準法が適用される雇用形態と適用されない雇用形態の2つの意味をかねた名称であるということです。
特殊な免許がある雇用形態と再雇用ではまったく内容が異なりますよね。
嘱託社員は定年の再雇用を意味することが多い
嘱託社員といった場合、臨時で期間を限定して雇用される場合をそのように呼びます。
実際、嘱託社員の多くは、その企業の元社員であることが多いようです。少子高齢化社会を迎え、定年の延長などで企業の人件費は、これからかさむ一方で、圧迫します。
そこで、一度退職した経験豊富な社員を、再び嘱託社員として雇い入れるほうが人件費を削ることができるのです。
基本的には契約期間は決まっているため、期間が満了した時点で雇用関係は終わってしまい、無職となってしまいます。もし契約が更新された場合、引き続き雇用関係が継続します。
契約社員とは
契約社員とは、もともとは専門的な技能や知識を備えた人材を対象に雇用することを意味していました。
アルバイトとは異なり雇用契約書が交付され、正社員と同様にフルタイムで勤めることができます。
給与は月給制で支払われ、社会保険にも加入できます。場合によっては時給制の契約社員もあります。
しかし、正社員と比べると業務内容はあまり変わらないのに、年収が低めであり好ましい雇用形態とは言えません。
雇用期間は3ヶ月から1年ごとの契約となることが多く、最大で5年間しか雇用契約を結ぶことはできませんでした。
契約社員の働き方が変わった!メリットはあるの?
平成25年4月1日から契約社員を対象とした無期契約への転換が実施されるようになりました。
それまでは5年を超えて契約することはできなかったのですが、雇用されている本人が希望すれば無期限契約を結ぶことができるようになりました。
しかしながら、これは雇用期間のみの変更であり、その他の待遇面は改善されていません。雇用する側にとっては人件費を削減できるのでメリットがありますが、雇用される側にとってはあまり喜ばしいこととは言えません。
嘱託社員と契約社員の似ているところは?
嘱託社員と契約社員に見られる類似点は、3つあります。
1つ目は、どちらも雇用期間に限りがあることです。ただし、先に述べましたように契約社員については、働く本人の希望により無期契約を結ぶことができるようになりました。
2つ目は、正社員と同じような業務内容をする代わりに待遇の面で差があることです。ほとんどの場合、正社員とは異なり各種手当や退職金が給付されません。
3つ目は、その道の経験者を雇用していることです。雇用する側は、人件費のかからない即戦力を求めています。そこで、このような雇用形態が浸透してきています。
嘱託社員だけにしか見られない特徴とは?
嘱託社員は、そこの会社に勤めていた高齢の労働者の再就職として雇用する形態を指すことが多く見られます。
年金の支給開始年齢も引き上げられ、否が応でも退職者も働かざるを得ない社会状況にあります。経験豊富な元社員の能力を安く買うシステムと言えます。企業により多少、待遇も異なります。
契約社員にしか見られない特徴とは?
契約社員とは、ある一定の期間内で雇用される労働者のことを指し、スペシャリストに多く見られます。
こちらは年齢層も業種によって、幅が広がります。社会保険に加入でき、フルタイムで月給制という点が、嘱託社員にはあまり見られないとくちょうです。
まとめ嘱託社員と契約社員の違いは曖昧
両者において明確な線引きが社会においてされているわけではありません。
これは、雇う側、つまり、企業側の慣例によるところが大きいと思われます。したがって、これらの言葉はとても曖昧でつかみどころのない用語だと言うことができます。
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